散歩をしていると、汗がじんわり、日差しが強くなってきました。

これからは、マスクを邪魔に感じる場面も、多くなりそうです。


戦前のマスクの写真


「マスク、いつまでつけてなくちゃならないのかしら?」という会話が聞こえてきました。

これからどんどん暑くなるもんねぇ。

外出を控え、密を避け、換気をし、手洗いうがいを徹底し、ワクチン接種して。

人が密になる場面では、マスクを着けて、私たちは生活をしてきました。

経験を積み、研究も進み、あれからいろいろなことがわかってきて。

2年前とは、違う夏が迎えられるんじゃないかとちょっぴり期待してます。


マスクの歴史


日本で、マスクが出回ったのはいつ?とググってみたら、どうやら明治初期。

150年前、思ったよりも、ずいぶん昔から日本人は、マスクを着けていたんですね。

内藤記念くすり博物館(2022年度「ウイルスの世界」の企画展中)に、戦前のマスクが展示されていました。(上の写真参考)

この戦前のマスク「薬粧マスク」って書かれています。コスメかい?🙄

そして箱には、「銃後の護りは~」、なんて書いてあって、うむ、時代を感じます。

私が、思い出すマスクっていえば、給食当番の時のガーゼのマスクだな。

目に見えないものの怖さ


そもそも、何でマスクを着けるのかってことなんですよね。

給食当番の時は、飛沫が入らないためですし、私は、のどの乾燥を防ぐためにも使いますし、まぁ、何かを防ぐために、私たちは着けているわけです。

今回のように感染症対策として着ける場合はなぜなんでしょう?

そう。それを知るためには、欠かせない人がいます。

2024年の新札に登場予定の 北里柴三郎先生 です。

微生物、細菌、ウイルス


人は、目に見えないなにかを、偶像にしたり、絵に描いたりして、形のあるものとして、その姿を表現してきました。

病に対しても同様のようで、たとえば、針聞書には、さまざまな想像上の病を起こす虫たちが描かれています。

ハラノムシの本の表紙の写真


しかし、科学の発展とともに、顕微鏡が登場。

今まで、肉眼では見えなかった病の正体が、明らかになっていきます。

17世紀半ばを過ぎ、オランダ人のレーベンフックが自作の単式顕微鏡を使って、微生物※を確認し、

19世紀後半には、ルイ・パスツールやロベルト・コッホにより、病を起こす微生物も発見されました。

微生物と病との因果関係がだんだんとわかってきたのです。

 ※微生物の定義については、コトバンク「微生物」を参照のこと


炭疽菌、結核菌、コレラ菌を発見したドイツのロベルト・コッホのもとで学んだ、北里柴三郎先生。

破傷風菌の純粋培養に成功し、その後、ペスト菌も発見。

ペストは、とても危険度の高い病です。

香港でまん延していたペスト、その調査研究のために、北里先生が香港に派遣されました。

先生は、そこで、ペストの広がる原因を見つけ、消毒という予防策を徹底させて、日本での大流行を防いだのでした。

ペストの記憶という本の写真
明治時代の日本には、すごい研究者がいたのですね。

予防、公衆衛生


ペストはネズミを介して、広がりました。

ネズミという原因が分かったので、その原因を取り除き、徹底した対策をとって、日本での感染拡大は押さえられました。

このように、北里先生は、予防対策も、日本で普及させていった人なのです。

顕微鏡でなければ見ることのできない病原菌は、模型を作ってその姿をわかるようにしていました。

細菌模型の写真


日本で、流行していた結核を防ぐために、日本結核予防協会を設立。

下の写真は、北里先生が監修して作った結核予防のための絵解図です。

(内藤記念くすり博物館には、このような展示物があり、だから通っちゃう😅)


結核退治絵解の写真


せきや話をするときに出る「飛まつ」には、病原体がたくさん含まれていると説明してあったり、食事の前には手を洗うようにと書かれています。

一般市民にも理解できるように、このようなものを利用し、結核の予防法を啓発していったのです。

今の時代は、これが、テレビやインターネットにとって変わったということでしょう。

私の結論


その後、電子顕微鏡の登場で、菌よりも小さなウイルスが発見されました。

ウイルスは、菌とは違い、タンパク質の中に遺伝子情報をもつだけの単純な構造です。

私たちの細胞に、自分の遺伝子を取り込ませ、増えていきます。

今回のコロナ禍もウイルス性感染症。

ウイルスは、マスクの繊維を通り抜けるサイズだということもわかっています。

でも、「通り抜けるから、マスクは必要ない」ってわけでもないと私は考えています。

私の結論「時と場合によるとしかいえない」だな。

基礎疾患持ち、飛行機内の乾燥、チェンマイの大気汚染、マスクを外せない理由が、たくさん見つかって、悲しいです。

それでは、またね。チョークディナカー

今日も最後まで読んでくださってありがとう!




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