連日、雷注意報や大雨注意報、スマホのアラートにドキッとします。
日本はもともと自然災害の多い国、それを忘れてはいけないと言われているみたいです。

けれど、雨が降るから、植物が育ちます。

くすり博物館の植物たちも、前回より、ずいぶんと大きく育っていました。

バタフライピー
チョウマメ

バショウ
イトバショウ、バナナの花と似ていますね

雨模様で中止かと思っていた草抜きボランティア。
時間になれば雨は止み、無事作業をすることができました。

内藤記念くすり博物館薬草園

生き字引な先輩方のお話に耳をそばだてつつ、草を抜く、とてもたのしい時間です。
草と言っても、その花壇の中では、主役ではないだけですが。

閉鎖中の温室
閉鎖中の温室に見えるツボグサ

ヨモギもドクダミも、今は入れない温室の中でびっしり育っているツボグサも、たかが草、そういってしまってもいいのかもしれないけれど、人類が、植物を利用し、痛みや病魔と闘ってきたのだと考えると、どれもお宝に見えてきます。


全身麻酔薬が生まれたころから、日本の中で、現代医療と伝統医療が対立してしまったのが残念だ。今年度の企画展、「麻酔薬のあゆみと華岡青洲」を見学しながら、そう思いました。

企画展

華岡青洲は、世界で初めて全身麻酔を用いた手術(乳癌手術)を成功させた人物です。

彼が完成させた全身麻酔薬の「麻沸散」は、チョウセンアサガオ、ヤマトリカブト、ヨログザ、トウキ、センキョウ、マムシグサを処方したもの、その時には失われていた中国の名医、華佗(かだ)が考えた処方薬の名からそうつけたそうです。

乳がんの手術

全身麻酔薬のない時代から、頭蓋骨に開いた跡などから、外科手術を行っていたことが分かっていて、その時に利用された植物として名前があがるのが、ケシ、マンドラゴラ、マンドレーク、ヒヨス、イヌサフラン、ドクニンジン。

それら植物の名前を聞くと、やっぱり薬と毒は表裏一体です。

もともとは、植物の毒を薬に変えてきた歴史が人類の歩みであるとすれば。
現代医療では、成分を取り出した現代薬に変わっただけともいえる。それを使うのは悪みたいな考え方もおかしいと思います。

そして、今はすっかり見なくなったこめかみに梅干しを貼ったおばさんも、歯痛に丁子を咬むおじさんも、それはまた、人類が昔から痛みを和らげるために見つけた方法なのです。

自然に私たちは、痛むところを手でさすったり、温めてみたり、冷やしてみたり、そうやって少しでも痛みを和らげようとします。

今回のアマビエ騒動などは、まさにそうだったと思うのですが、まじないや神仏に病魔退散を祈る気持ちも否定できません。エビデンスという言葉だけで、人はすべて納得できるものでもないのです。

自分の生き方を自分で決めるためには、情報過多の現代の毒である「情報」をどう生かすかが大事になってきます。どう正しい薬にするかです。

そうだ!

以前このブログで記事にした枇杷葉湯売りが、くすり博物館にいました。

枇杷葉湯売り
枇杷葉湯売り

何度見に行っても、新しい発見があるくすり博物館です。

それでは、またね。
チョークディナカー!