今から150年ほど前の話。

明治時代に入って、王政復古、祭政一致を目指す政府は、神仏分離令を出し、寺院・仏像の破壊、経典・仏具の焼却を国民に求めました。

そうはいっても、ほとんどの地方は、お寺を壊したりはしなかったらしいので、今でも、古くからのお寺が残っている場所は、こんな歴史はなかった歴史なのかも知れない。

江戸時代は、仏教を大切にしていた幕府、仏像を祀る神社があったり、混淆としてました。明治になり新政府になると、今まで僧侶より地位が低かった神職が、何と言って、この令を出させたのかわからないけれど、政府を動かして自分たちの地位を格上げしたわけですね。


竹田神社
竹田神社

廃仏毀釈 このことを知ったのは、帰省したある日、父が、「鹿児島人は、お国の言うことをくそまじめに聞きすぎるからな」と苦々しく言葉にした時です。

今までそんな話をしたことはなかったし、そんな鹿児島に対しての評価を聞いたことがなかったから、とても驚きました。

鹿児島では、この令が出てから数年で、寺院をすべて壊し、僧侶が一人も見られなくなったそう。

鹿児島は、もともと寺院と民衆の結びつきが薄かったとか、僧侶の生活の保障をちゃんとしたとか、廃寺によって得たお金を軍備のために使ったとか理由はあげられるかもしれないけれど、お国が言うことだからと、大切なものを自ら壊してしまったことには間違いはない。

もう一つ、「お国」ということで思い出すのは、万世特攻平和祈念館で見た手紙。

知覧特攻平和会館、知覧に特攻隊基地があったことは、みなさんよくご存じだと思う。

あまり知られていないのですが、吹上浜に作られた万世飛行場が、陸軍最後の特攻隊飛行場なんです。極秘裏に作られて、国民のほとんどは知らない飛行場。近くの住民が駆り出されて作った飛行場。
4カ月だけ使われて、そのわずかな期間に200名近くの人たちが、お国のためと飛び立っていきました。

万世特攻平和祈念館
万世特攻平和祈念館


記念館館内
館内

日本人が一致団結して何かを行う時。

そして、同調圧力という言葉を聞くと、私は、この鹿児島で起こった歴史を思い出すのです。

それでは、またね。

チョークディナカー!